"お変わりありませんか?" はエレガントな大人の「挨拶の一言」八坂裕子著「素敵な大人のひと言」より
☆彡空気を換える「挨拶の一言」
"お変わりありませんか?" "おかげさまで…"
「まあ、しばらく」
「お変わりありませんか?」
学校や職場、あるいは親類などで少し年上の人に久しぶりに逢った時に使う。
合わなかった間に何か変化はなかっただろうかについて訊くのだ。
とは言っても、具体的にではなく、抽象的でかなりあいまいに。一種の社交辞令だ。
「お元気ですか?」の一言だと、健康がテーマになるが「お変わりありませんか?」だと、健康以外にも、仕事、家族構成、アドレスが変わったかどうかという意味合いが含まれる。
だから相手の受け取り方もまちまちで、「ええ、元気よ」と応える人もいれば、「妹がついに結婚したの。相手はあの彼ではないけど」と家族の近況を語る人もいる。
そうした様々な対応ができるのが挨拶フレーズだ。
真相を究明する必要はなく、さらに深くは訊かず、「あら、そうなんですか」と軽くリアクションしよう。
◆花咲く得点
「お元気ですか?」のフレーズも挨拶としては無難だし、重宝であるが「お変わりありませんか?」の方が、半歩接近して相手の周辺まで気遣って知るニュアンスを伝える。
私のことを心配してくれてうれしいという印象を与え。
相手によって、声の高低、大きさ、リズムを意識するとよい。
優しい気持ちを届けるのに、ぶっきら棒に言ったり、不機嫌そうに言ったりしては気持ちが届かないどころかUターンしてしまう。
感情を込めた物言いを日ごろからトレーニングすることだ。
受け答えとしては「おかげさまで」が無難で、好きな言葉だ。
以上は八坂裕子著「素敵な大人のひと言」より一部抜粋&加筆
★八坂裕子
八坂裕子さん:詩人、エッセイスト。
お茶の水女子大学附属高校卒業。
文学座演劇研究所、シナリオ研修所修了後、東宝シナリオ研究生に。
1967年、資生堂『花椿』誌第1回詩の公募で、“ナポレオンと苺”が最優秀賞を受賞。
著書に、詩集『愛と呼ぶにははやすぎるけど』(サンリオ出版)、『わたしって会話下手?』小説『あなたに。』(以上、集英社)、
30万部を超えるベストセラーとなった『頭のいい女 悪い女の話し方』『ハートを伝える聞き方、話し方』(PHP文庫)、『夢の森へいらっしゃい』(樹花舎)などがある。
現在、エコールプランタン(TEL03-3567-7235)で会話クラスの講師を担当、好評を博している。